厚労省は現実に厳しさ 粘り強い交渉求める意見も
奄美和光園の将来構想検討委員会(築愛三委員長)は二十五日夜、名瀬市役所であった。会の冒頭、新任された委員に嘱託状を交付。協議では同委員会が昨年七月に厚生労働省へ提出した要望書についての経過報告などが事務局(名瀬市健康増進課)からあった。要望書について新委員から「和光園の将来構想については、ハンセン病問題対策協議会の作業部会で協議することになっておいり、統一交渉団を巻き込んだ形で要望するべきではなかったのか」といった意見が出された。今後は作業部会の動向を見極め、要望を堅持する方向性で一致した。
同委員会設置要項に基づき、五委員が新たに委嘱を受けた。
協議ではこれまでに検討された同園将来構想についての経過報告、同園に「(仮称)国立長寿検証センター」を併設する要望経過報告が事務局からあった。厚生労働省の担当者が非公式に「同センター併設案の実現は非常に厳しい」との見通しを示しており、委員からは「県との連携も必要だったのではないか」「長寿検証センターは将来構想の基礎作りであり、同センターにこだわるのではなく幅広い可能性を考えるべきだ」といった意見が出された。
また、ハンセン病問題対策協議会における確認事項が「在園保障の問題として奄美和光園の将来構想について、厚生労働省と統一交渉団(ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会および全国ハンセン病療養所入所者協議会)は、互いに意見を出し合いながら取り組むとしていることについて、同事務局は「長寿検証センター併設案に_____________の意見交換の場も持った。同園の維持を望む地元の要望としての提案」と説明。委員からは「同センター併設案は、そう簡単に実現できるものではなく、粘り強く交渉を続けるべき。そのことが入所者にも結びつくのではないか」との声もあがった。今後、同委員会は「ハンセン病問題対策協議会の動向を見極める一方で、地元の要望として長寿検証センター併設案を堅持し、委員会を存続させる」という法公正で一致した。【大島新聞 2005年8月27日】